なぜラグビー経験者は出世するだろうか。中高6年やって思うこと。

ラグビー経験者は出世する  

ラグビー経験者はなぜ出世すると言われているのでしょうか。企業の経営者がラグビー経験者であることはよくありますよね。例えばTBSホールディングス社長の佐々木卓氏(早稲田大学ラグビー部出身)

 

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ラグビー元早稲田スター選手・TBSHD社長が語る「ラグビーと経営」 | 熱狂!ラグビー ビジネス・人脈・W杯 | ダイヤモンド・オンライン


ユニクロやローソンを玉塚元一氏(慶應大学ラグビー部出身)

 

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ユニクロ、ローソンの次がITという理由 玉塚元一氏はどこに向かうのか | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

新日鉄住金の進藤孝生社長

 

日本製鉄会長の進藤孝生氏(一橋大学ラグビー部出身)

 

練習1時間で花園へ 新日鉄住金社長を育てたラグビー|出世ナビ|NIKKEI STYLE

 

などなど。他にも身近なところでいえば、元大阪府知事橋下徹、芸能人では中川家サンドウィッチマンがいますね。

 企業の経営者や出世する人にはラグビー経験者が多い。それはこのスポーツが、社会に出ても活きる教訓を多分に含んだスポーツだからだと思います。実際、筆者は中学校、高校と6年間ラグビーをやりました。その経験から言っても、やはり大切なことはラグビーが教えてくれたなと感じています。今回はその経験に基づいて、ラグビー経験者が出世する理由を考察していきます。

ラグビーは少年をいち早く大人にし、大人にいつまでも少年の心を抱かせる」

 

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ラグビー・フランス代表元主将ジャン・ピエール・リーブ

 https://ameblo.jp/aloalohawaii/entry-11279133302.html

 

 

コンタクトスポーツを本気でやることによる出力の底上げ

 まず、ラグビーを経験すると物事に取り組む出力がめちゃくちゃ底上げされます。「全力で取り組む」感覚を身をもって知ることができます。

 

ラグビーは球技と格闘技を足して2で割ったような、非常に荒々しいスポーツです。突進して、人をなぎ倒すプレーが賞賛される競技なんてなかなかないでしょう。そのため、試合には闘争心を全開にして臨まなければなりません。弱い気持ちで臨むとたちまち吹き飛ばされて蹂躙されます。そういった修羅場をくぐった経験があると、肉体的、精神的に限界まで出し尽くす感覚が身に付きます。

 

 その経験が社会に出て何かにコミットする上での出力の底上げにつながって、社会人になって役に立つのではないでしょうか。

 

ピンチになった時に、「まああの時に比べれば余裕だろ」となるのは他の運動部経験者でも共通するかもしれません。 

正攻法で粘り強く取り組む力がつく

ラグビーは番狂わせがめったに起きないスポーツとして知られます。よく言えば「努力が報われるスポーツ」ですが、悪く言えば「報われない程度の努力ではとことん報われないスポーツ」です。

 

サッカーやバスケ漫画によく出てくる言葉で「強いほうが勝つんじゃない。勝ったほうが強いんだ!」というものがありますよね。しかし、ラグビーはこういう言葉とはまったく対局で「強いものは勝ち続け、弱いものは負け続ける」世界です。

 

例えば、ラグビーワールドカップ2015で日本代表が活躍できたことの原因の一つには、エディージョーンズHCによる徹底的なフィジカルの強化がありました。

 

これまでの日本代表は戦術や技術で解決しようとして、海外にねじふせられるばかりでした。しかし、基礎に立ち返ってフィジカルをとことん強化して土台を築いたことが、大躍進につながったと言われています。

 

体格を言い訳にしない。まずパワーで負けない。フィジカルで、体力で真っ向勝負できる実力を作る。ラグビーは常にそこから始まるスポーツです。

 

正攻法で努力して地力をつける。小手先の技術に頼らない。そういう姿勢が身に付くことで社会人になっても努力から逃げない人格が形成されるのでしょう。

 

実際に、五郎丸選手もフィジカル強化の重要性を訴えており、そこから逃げなかったことが日本代表の成功要因だったと言っています。

 

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ラグビー日本代表の五郎丸歩が日本サッカーに提言「フィジカルから逃げると戦えない」 | サッカーキング

組織への帰属、自己犠牲、献身の意識が身に付く

One for All. All for One」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)という言葉にもあるように、ラグビーは自己犠牲、帰属意識が必要不可欠なスポーツです。

 

そして、この精神があらわれるプレーは何といってもタックル。タックルはディフェンスの際にボールを持っている選手にぶつかってなぎ倒すプレーです。

 

実際にプレーするとわかるのですが、タックルはめちゃくちゃ怖いです。全速力で走ってくる相手の懐に潜り込むのですから、とても勇気が要ります。 これを一人でもさぼるとすぐに全体に影響が出ます。一人一人がタックルにきちんと入らないとそこが穴になって、ディフェンスがずるずる後退していくのです。

 

全員が全員、逃げずにタックルに入る。ディフェンスの網を張って逃がさない。そうやって15人それぞれが自己犠牲の精神を体現することでディフェンスが機能するのです。

 

例えば、東海大仰星高校という全国優勝5回の大阪の超強豪校があります。

 

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第97回高校ラグビー 東海大仰星(大阪第二) - 毎日新聞


野球でいう星稜や履正社のような存在です。そして、その東海大仰星高校でスタメン入りするための第一の条件は「タックルに入れること」なんだそうです。

 

タックルはボールがパスできなくても、足が遅くても、チビでもデブでもできる。まずタックル。勇気を振り絞って、チームのために迷わず己の身を投げ出せる精神が重視されるのです。チームのために率先して体を張る、その素質はラグビーで養うことができます。

信頼に基づく分業を経験できる

ラグビーはポジションごとの専門性が高いスポーツです。下手したら試合中にボールを一回も触ることがないポジションもあります。そのため、自分が持っている能力を最大限に活かせるポジションに各々のプレーヤーがつくことが大切になります。

 

とにかく大柄で力が強い人には、そのパワーをフルに使えるポジション。誰よりも足が速くて一対一なら絶対負けないという人には、試合を決めにいくポジションが任されます。

 

 もちろん特段足も速くないし、でかくもない人間もいるでしょうが、そういう人にも持久力、声だの通り、機転が利く、そして、誰よりも体を張れる。など強みがあるはずです。その強みを与えられたポジションで試合中に最大限発揮することが大切になります。

 

タックルがうまいのであれば、見せ場はディフェンスです。パスやキックがうまいのであれば、アタックが見せ場になります。

 

また「自分の能力ではできないことは手を出さず、他に任せる」という判断も大切です。

 

「他も手伝いたいけれども、自分のできることに集中する。」「仲間がやってくれると信頼して任せる。」そんなシチュエーションも多々あります。そんな中で、自分が最高のパフォーマンスを出せる部分に全力を尽くす。組織で分業し、仲間を信頼する。そういう組織の一員としての心がけがラグビーによって養われます。

まとめ

1,コンタクトスポーツを本気でやることによる出力の底上げ
2,正攻法で粘り強く取り組む力がつく
3,組織への帰属、自己犠牲、献身の意識が身に付く
4,信頼に基づく分業を経験できる

 

ラグビー経験者が出世するのは、ラグビーがこのような教訓を多く含んだスポーツであるからなのではないでしょうか。