2020-10-01から1日間の記事一覧

【読書感想文】百田尚樹『夢を売る男』切れ味バツグン鮮やかなるブラックコメディ

百田尚樹の小説『夢を売る男』をご紹介します。自費出版という独自のビジネスを推し進める出版社のカリスマ経営者のお話です。 百田尚樹は文庫で累計発行部数546万部のメガヒット作品「永遠のゼロ」の作者です。 映像のような描写と目の前で登場人物が動き出…

小説『永遠の0』が伝えたいことは戦争賛美ではなく「生きることのすばらしさ」だ

小説『永遠の0』をご紹介します。 第10回本屋大賞受賞作。累計発行部数546万部という驚異的な数字をたたき出している作品です。2013年には文庫本の最高発行部数を更新しました。 この小説は戦争を肯定的に描いているとして批判的に論じられることもあります…

小説『陽だまりの彼女』の小説と映画の違いについて

「完全無欠の恋愛小説」「女子が男子に読んでほしい恋愛小説ナンバーワン」これらのキャッチコピーが話題になった越谷オサムの小説『陽だまりの彼女』。 2011年に発表され、ふだん恋愛小説を読まない中年層にも広く届きました。 2013年には累計発行部数100万…

朝井リョウの『何者』の感想は「最悪」、小説の評価は「最高」

朝井リョウの『何者』という小説をご紹介します 初めに感想を言うと、読んだ後味は最悪です。間違いなく「楽しめる」小説ではありません。 ただこういう小説に出会うことでまた一歩強くなれるという意味では最高の小説です。読むのを強くおすすめします。 就…

小説『億男』が伝えたいことはお金の持つ虚実の2面性である

今回は川村元気の小説「億男」をご紹介します。 「おまえもし宝くじ当たったらどうする?」 この妄想が突然実現するところから始まるお金エンタメ小説『億男』 著者の川村元気は「電車男」「君の名は。」「バケモノの子」など多くのヒットを出す「日本で一番…