こんにちは。
このページでは「大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人」をおすすめします。この本はタイトルの通り哲学を広くわかりやすく網羅した本です。
聞いたことはあるけれど、実際にどんな意味なのかわからない、という用語ってありますよね。
そういったものが山のように出てきて、「ああなるほどそういう意味だったんだ」と膝を打ってしまうような本でした。
「そういう意味だったのか」を2つ紹介
「聞いたことあるけどよく知らない」ものの意味がわかって面白かった部分を2つ紹介します。
デカルト「われ思うゆえに我あり」
大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人 56、57ページ
「聞いたことあるけど意味は知らない」用語として「我思うゆえに我あり」はかなり上位にくるのではないでしょうか。これは先に述べた観念論を打破する考え方です。
夢を見る感覚を思い出してください。夢の中では「自分は夢の中にいるんだ」ということには気づくことができません。
それで、夢から覚めたときはじめて「はっ!・・・夢か」と世界が夢であったことに気づくのです。
そして、このことはあなたが生きているその世界でも起こりうるのではないか?起こらない保証はどこにある?という話になってきます。
「ドッキリ大成功!今まで生きてきた世界はぜんぶ夢でした~」と自分がなる可能性があるのです。
1秒後に夢から覚めるかもしれない今を僕たちは生きている、その危うさがあるのです。
この危うさに対して「そんなことはありえない。」と言い切ったのがデカルトでした。
「夢の中では『これはもしかしたら夢なのだろうか?』なんて思わない。」
「今、私が『これはもしかしたら夢なのだろうか?』と疑うとしよう。」
「疑っているということは私の意志でやっていることなので、疑っている行為自体を疑ってもしょうがない。」
「つまり疑っていることが確実であるなら、世界も存在していることになるのだ。」
「疑うことができる、ということは、この世は夢ではない、ということの証明になる。」
このような論理の道筋をたどることで「我思う、故に我有り」を導き出すことができるのです
ニーチェ「ルサンチマン」
大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人 102、103ページ
ニーチェはこれまでの哲学を「転覆」させた人物です。「転覆」。かっこいい言葉ですね。
ニーチェは「ルサンチマン」という考え方の中で、「正義」という概念を負け犬の屁理屈である切り捨てます。
負けを認めるというのは人間にとってつらいことです。そして社会の仕組みの中で負けていてその敗北が逆転不可能で絶望的だったときに「ルサンチマン」は生まれます。
それはつまり、「でも俺たちは『正しい』んだ」と思うことです。正義という概念を生み出し、自分には正義があるから負けていないと思い込むことで心の均整を保っているのだ、と。
ニーチェは正義をこのようにルサンチマンから生まれるものだとして、倫理的、模範的なイメージのついて回る正義という言葉をぶった切ります。
ルサンチマンとは曲がっていて闇の深い言葉なのだと気づかされました。
この2つ以外にも哲学の全容をざっと見ることができます。とても知見の広がる内容ばかりなのでぜひ読んでみてください。
ありがとうございました