高校の勉強は無駄じゃなかったと思えた「大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人」[本]


こんにちは。

 

このページでは「大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人」をおすすめします。この本はタイトルの通り哲学を広くわかりやすく網羅した本です。

 

大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる

 

 もくじです。

 

1は楽しくてたくさん書いてしまったので、忙しい人は2からどうぞ!

 

 

 

1 高校で勉強した内容との繋がりに感動した

 

(愚痴的な前書きです。)

 

感動しました。やっぱり「高校の勉強って大学につなげるための勉強だったんだな」、と。

 

僕は高校ではまじめなほうで、高校の授業は一度も寝たことがありません。どんなにその先生がつまらなくても聞きました。

 

でも、

 

テスト前「ノートの写真撮らせてくれない?お願い!」→テストで65点→デッドラインだけ回避

 

そういうクラスメイトを見て「やっぱりそういう風に生きるほうがスマートなのかな・・・」と思ってました。

 

僕はこの本を読んで少し救われました。

 

 

以下、具体的にどんな繋がりを感じたかの例をあげます。

 

 

 

数学 

 

・「パスカルの三角形」のパスカル微分積分ライプニッツ

 

近世の有名人は哲学者兼数学者兼物理学者みたいな人が多いです。数学の公式とかの人名が思わぬ所で出てきました。

 

 

帰納法演繹法

 

数学の数ⅡBででてきた「数学的帰納法」。

 

帰納法は「カラスAは黒い」「カラスBは黒い」「ゆえに全てのカラスは黒い」のような考え方のことです。若干論理の飛躍がありますね。しかし、そのように「みなす」ことがどんどん前へ進めるため、現在の科学にも使われています。

 

帰納法って数学特有のものじゃないんだ、ということ。全体のなかに位置づけられるものとして、見え方が変わりました。



世界史

 

三段論法

 

世界史の先生はしつこく三段論法を強調しました。

 

三段論法とは演繹法の一種で「ソクラテスは人だ」「人はみな死ぬ」「ゆえにソクラテスは死ぬ」というような考え方です。これは帰納法より論理的ですよね。

 

世界史の先生はテストで記述式の問題を多く出しました。三段論法で書かないと容赦なく減点してきました。詳しく、わかりやすく書いたつもりでも三段論法でなければ減点してきました。

 

毎回テストが返却されるたび、感触より低い点数なので世界史の先生には腹を立てていました。しかし、今考えるとそれだけ「論理性」を重視していた、ということだったんですね。

 

 

日本史

 

マルクス

 

「入試問題を見ればわかるように、大学っていうのは正直なところかなりそっち系なんですよ」

 

予備校の先生は繰り返し語っていました。実際、治安維持法小林多喜二、戦後の片山、芦田政権や村山富市政権あたりは頻出でした。社会主義の歴史だけにフォーカスした講座もあるくらいでした。

 

ソ連との国交が開かれたころ、政府はソ連から共産主義の思想が国内に流入してくることを警戒しました。そこで1928年、治安維持法の改正により「国体の変革」つまり「天皇制打倒」を企てた者への最高刑を死刑にしたのでした。

 

 

そこまで政府がタブー視した思想ってどんなものなんだろう?

 

その思想はどうやって生まれたんだろう?

 

ここでマルクスが出てくるのです。

 

「あ!倫理の授業でも出てきた人だ!」と予備校の授業を受けたときは思いました。

 

そしてこの本では「現代思想の三統領」(マルクスニーチェフロイト)の一人としてまた出てきました。

 

 

太政官左院

 

明治政府が太政官左院を設置して広く国民から意見をつのったのは「日本人意識の醸成のため」だと習いました。丸暗記でした。全くどういう意味かわかっていませんでした。

 

本書によれば、明治時代の人々は国民意識がありませんでした。○○藩、○○国の人間という概念はあっても「自分たちは日本人である。」「他の国ではなく日本の人間だ」というありませんでした。

 

そこで明治政府は「これからは列強の国々を見習って競っていかないといけない。」「国民にも、その意識を共有してもらわないといけない。」ということで太政官左院を設置したのです。

 

ここでやっと僕の頭の中で「日本人意識の醸成のため」がただの丸暗記から意味をもつものへと変わりました。

 

 

・江戸時代の学問

 

何も考えずに呪文のように唱えて頭に叩き込んでいました。

 

朱子学 林家 聖堂学問所 武家諸法度天和令「文武忠孝を励し礼儀を正すべきこと」

古学派 山鹿素行 聖教要録 中朝事実

国学 本居宣長 たをやめぶり:批判、ますらをぶり:称賛 源氏物語の本質:「もののあはれ

 

みたいな。

 

でも

 

朱子学はどこからはじまったか」と聞かれれば、知りません。

 

 

「古学ってなんですか」

 

孔子孟子の書いた本を読み直す的な学問です」

 

ここまでわかってても

 

「じゃあ孔子孟子ってなんですか?」

 

こうなると知りません。

 

 

国学ってなんですか」

 

古事記とか日本書紀から日本らしさを見出す的なやつです」

 

これもここまでは知っています。でも深くは知りません。

 

 

本書によれば、哲学は西洋中心で発展してきた歴史があって、それ以外の東洋の学問はあくまでも「西洋的でないもの」でしかなかったのです。

 

本居宣長がやった「日本らしさの研究」っていうのは日本のアイデンティティーを見つけ出そうとした、という意味で価値があり、だからこそ教科書に載っているのだと認識しました。

 



倫理 

 

ソクラテスプラトンの初めのころの哲学はもちろん、ナチス・ドイツの体制を研究したハンナ・アーレント功利主義ベンサムが出てきて「あ、この人知ってる!」が何度も起こりました。

 

 

漢文 

 

 ・堯舜

 

漢文は基本的に「昔はよかった」特に「堯舜」の王朝は徳に基づいた治世を行っていた理想的な時代として引き合いに出される。と高校の授業で習いました。

 

この本にも出てきました。

 

孔子孟子老子荘子あたりの解説もあり、「ああそういうものだったのか」の連続でした。

 

 

古文

 

三島由紀夫「豊穣の海」

 

浜松中納言物語ってのを授業でやってました。簡単に言うと、中納言が父親が亡くなったあと、中国の王子様に転生(生まれ変わる)したことを夢で知らされて、中国へ父を探しに行く、みたいな話です。

 

 

世界の認識の仕方が神秘的、ということで「豊穣の海」が引き合いに出されました。

 

 

「豊穣の海」は仏教の「唯識」という思想に強く影響を受けています。

 

 

唯識」とは「その人が見ている『世界』は存在しているわけではなく、ただその人の頭の中に一つの世界があるだけだ」みたいな考え方です。

 

たとえば、リンゴが机の上においてあるとします。現代の考え方は「リンゴが世界に存在している。」とみなします。しかし、唯識の考え方は「リンゴはその『見た人』の頭の中に存在している。『世界』に存在しているかはわからない。」とみなすのです。

 

 

豊穣の海では終盤、主人公の男が遠い昔に別れたある女性を探しているシーンがあります。男は女性が今は出家して、寺にこもっていると聞き、寺へ向かいます。

 

男「ここに○○という女性はいませんか?」

 

寺の住職「は?知らんわ。聞いたことないわ。」

 

「そんな女ははじめから存在しなかったんちゃいますか?」

 

そこで男は自分の生きている世界と、あの女性が生きていた世界が違うものになってしまったのではないか、と不安になり、茫然とした気持ちになります。

 

そして「寺の庭には白い雪が降っていた・・・(終)」

 

 

これ、「はあ?」って感じじゃないですか?

 

 

意味わかりませんでした。

 

 

 

で、この本では「実在論」と「観念論」が出てきます。

 

実在論はさっきのリンゴの例でいう現代の考え方で、観念論は「唯識」的な考え方なのです。

 

どうやら哲学と古典や文豪の思想がリンクしているらしいのです。

 

 

(まだ、正直あんまりよくわかってないんですが)そんな感じがしたのです。

 

 

 

 

このように哲学というカテゴリーによって、高校で勉強したことが科目を超えて、僕の頭の中で体系化されていって、超気持ちよかったです。めっちゃ良いです。

 

 

 

2 本書で印象に残ったものを3つ

 

多分3つとも「聞いたことあるけどよく知らない」的なものなので、面白いはずです。

 

・「我思う、故に我有り」byデカルト

 

僕にとってのthe 「聞いたことあるけど意味は知らない」でした。これは先に述べた観念論(≒唯識)を打破する考え方です。

 

 

夢を見る感覚ってわかりますか?

 

夢の中では「自分は夢の中にいるんだ」なんて全く思わないですよね。

 

で、夢から覚めて「はっ!・・・夢か」となるんですよね。

 

で、これはあなたが生きているその世界でも起こりうることなんです。

 

 

「てっててーん!ドッキリ大成功!今まで生きてきた世界はぜんぶ夢でした~」がありえるのです。

 

 

1秒後に夢から覚めるかもしれない今を僕たちは生きている、ということです。

 

 

 

デカルトはこれに反論します。

 

「夢の中では『これはもしかしたら夢なのだろうか?』なんて思わない。」

 

「今、私が『これはもしかしたら夢なのだろうか?』と疑うとしよう。」

 

「疑っているということは私の意志でやっていることなので、疑っている行為自体を疑ってもしょうがない。」

 

「つまり疑っていることが確実であるなら、世界も存在していることになるのだ。」

 

「疑うことができる、ということは、この世は夢ではない、ということの証明になる。」

 

 

ということで

 

 

我思う、故に我有

 

 

なのです。

 

へ~!って感じですね。

 

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デカルト

大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人 56、57ページ

 

ニーチェ 

 

ニーチェはこれまでの哲学を「転覆」させた。と本書にあります。「転覆」。かっこいい言葉ですね。

 

ニーチェは「正義」という概念を負け犬の屁理屈であると一蹴します。

 

負けをそのまま認めるのは悔しい。「俺たちは負けている。でも俺たちは『正しい』んだ」と思うことで心の均整を保っているのだ、と。

 

いいですね。哲学者を一人だけ深く勉強するなら、ニーチェにしようかな。

 

 

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ニーチェ

大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人 102、103ページ

 

 

・「伝統的な日本の家族制度」なんて錯覚だ

 

恋愛、結婚を語るときに決まって引き合いに出されるのが「原始時代から男が狩りに出て、女は家を守っていた」ですよね。

 

これはニーチェによれば「パースペクティヴィズム」といって現在の一部を見ただけで「昔からそうだったのだ」と思い込んでしまう人間の錯覚なのだそうです。

 

笑えますね。

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パースペクティヴィズム

大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人 214、215ページ
 

 

3 もっと詳しくやりたいものがみつかった


全体を見渡すことができる本なので、自分が共感できる人物、フォーカスしたい部分を見つけることができます。


マキャベリ君主論

デカルト方法序説

孫子「兵法」


現代思想の三頭領 マルクスニーチェフロイト

 

なぜ人を殺してはいけないのか→ロックの「社会契約論」


キリスト教より前からあった宗教

日本は何教なのか、その成り立ち 

 

僕はこのあたりをもっと読んでみたい、勉強してみたいと思いました。

 

 

哲学の世界はものすごく広くて深そうです。全部やるのは無理なので、好きなものからピックアップしていこうと思います。

 

 

まとめ

 

「大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる本/貫成人」がおすすめ!!!

 

この本はタイトルの通り哲学を広くわかりやすく網羅した本。

 

・高校で勉強した内容との繋がりに感動する

 

・(僕の印象に残った3つ)

 

・もっと詳しく勉強したいものがみつかる

 

 おすすめです!!

 

 

 

ありがとうございました!